日本のカレンダーを見ると季節の変わり目を表す「二十四節気」が書いてありますよね。
12月下旬の冬至を過ぎると日は長くなってくるものの、1年のうちで一番寒い日、大寒がやってきます。
大寒あたりの季節の節目や関連行事などをご紹介します。
寒いけど、少しでも季節を楽しみたいものです。
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小寒から立春まで
小寒から立春までの30日間を「寒の内(かんのうち)」といいます。
その真ん中を「大寒」といいます。
小寒
小寒は冬至から数えて15日目頃で、冬至と大寒の間にあります。
だいたい、1月5日頃に当たりますね。
お正月休みが終わって、仕事を始める頃に寒さが増してくるということです。
大寒
1年のうちで一番寒いのが大寒。
ここを乗り切れば、春はもうすぐそこです。
ちなみに、2021年は1月20日(水)が大寒です。
立春
暦の上ではこの日から春ということになります。
大寒から数えて15日目頃で、毎年だいたい2月4日頃です。
旧暦ではこの日が1年の初めだとされていました。昔のお正月です。
ですから、季節の節目などはこの日が起点になっていることが多いのです。
実際にはまだ寒いのですが、明らかにこの日を境に日差しや気温が変わってきます。
梅が咲き始め、空気のにおいも変わってくる。そんな風に毎年感じます。
この季節の変わり目を感じ取った昔の人の感覚は素晴らしいなと思います。
大寒の時期の日本の行事
1年で一番寒い時期ですから、寒さに関する行事、風物詩が多い時期でもあります。
寒稽古
寒さを耐えながらの稽古。剣道や柔道などの武道の他、芸事の鍛錬なども行われます。
昔は早朝から取り組むことが多かったものの、最近では早朝に限らず、大寒の日に行う伝統行事のようになっていますね。
寒さから逃げるのではなくあえて立ち向かうことによって強い身体と心を作ろうというものです。
寒仕込み
大寒は寒天、酒、味噌、凍り豆腐などの仕込みに良い時期とされます。
例えば味噌のような発酵食品は、低温でじっくり発酵させることで味がまろやかでおいしくなります。
発酵は最初が肝心なので、わざわざこの寒い時期に仕込む、ということですね。
また寒さが厳しいので、雑菌などが繁殖しにくい時期であるということも仕込みに適した理由の一つです。
昔は水道水ではなくて天然の水を調理に使っていましたから、水には当然雑菌がいました。
それが最も少なくなるのが大寒だということを、経験的に昔の人は知っていたんですね。
手作り味噌って時間がかかるんですけど、短期間で作った市販の味噌とは全然味わいが違いますよ。
寒の水
寒の内に汲んだ水のことを寒の水といいますが、寒の入りから九日目に汲んだ「寒九の水」は特に良質だとされます。
日本酒は原料となる米はもちろん、水の質も味に関係しますので、雑菌が繁殖しにくく澄んだ寒の水は、日本酒を仕込むのに最適、というわけです。
日本酒のラベルでも「寒仕込み」なんて文字を見かけますよね。
それは、寒の内に作られたお酒ですよ、という意味なんです。
大寒たまご
この時期は寒さのため鶏は水をあまり飲まず、エサを一生懸命食べるので、大寒の日に生まれた卵は栄養豊富だとされています。
まとめ:小寒から立春は冬が深まり春が始まるめまぐるしい時
この時期は、本当に気温の差が激しく、雪が降るほど寒くなったかと思えば、桜が咲きそうなポカポカ日和になることもあります。
日々、季節が変わり、冬から春に移動しているんだなということを肌で実感できる季節でもあります。
四季がある日本ならではの変化だと思うので、寒いながらもこの季節の変化を楽しみたいものです。