黒胡椒と白胡椒はどちらが好みですか。料理によって適したものは違うと思いますが、どちらかというと黒胡椒が好きです。
さてこの2つは何が違うのか、品種の違いだと思っている方も多いのですが、実は同じものなのです。
違いは、収穫する時期と加工の方法にありました。
黒胡椒は未熟な果実
黒胡椒は、果実が未熟なうちに収穫して天日干しします。
未熟な時の果実は緑色なのですが、干すことによって色が変化し、皮をそのまま使いますので、黒っぽくなるというわけです。
たまに、粒のままの黒胡椒を見かけると思いますが、皮のまま干しているのでシワシワになっていますよね。これは乾燥によって皮が縮んでいるからです。
ちなみに、未熟なまま塩漬けにしたり、機械乾燥させたものは、綺麗な緑色が残り、グリーンペッパーと呼ばれます。
白胡椒は完熟果実
白胡椒は、完熟した実を使います。
完熟した実は果皮が赤くなりますが、白胡椒は皮をむいて中身だけ使います。
ですから、白胡椒は皮の色が含まれない、白っぽい色をしています。
ちなみに、皮をむかずにそのまま乾燥させて加工すると、ピンクペッパーになります。
また、ウルシ科のこしょうボクという植物の果実もピンクペッパーと呼ばれます。
アロマテラピーで使われているのは黒胡椒
アロマテラピーで使う精油にも、「ペッパー」というものがあります。
まさに胡椒から採られた精油で、ピリッと辛みのあるすっきりとした香りが特徴です。
この精油、ほとんどが黒胡椒から採られます。
黒胡椒の方が採油量(精油が採れる量)が多いのだそうです。
メーカーによっては、ペッパーではなく「ブラックペッパー」と表記されていますし、学名を見て「Piper nigrum」と書いてあれば黒胡椒です。
黒胡椒と白胡椒、どうやって使い分けると美味しい?
スーパーで売っている粉末の胡椒は、黒胡椒と白胡椒がブレンドされたものが多いですが、せっかくですからその風味の違いを生かして、料理によって使い分けたいものです。
ただ、風味の違いは好みですから、どっちを使っても正解です。
黒胡椒は香りを生かそう
黒胡椒はピリリと辛味が強く、香りもあるので、料理の最後にかけてそのまま香りを楽しんだり、肉料理の臭み消しとしても使われます。
ステーキやパスタに、最後にかけると美味しいですね。
白胡椒は臭い消しに
白胡椒は色が残りにくいので、臭みを消したいけれど白っぽく仕上げたいときに使うといいです。
- 白身魚のソテー
- シチューなどの煮込み料理
などにむいています。
まとめ:黒胡椒、白胡椒、風味の違いを楽しもう
黒胡椒と白胡椒の違いは、いつ収穫するかと加工方法の違いでした。植物としては同じものです。
黒胡椒の方が香りが強いので、胡椒の風味をより味わいたいときには黒胡椒、隠し味的に使いたいときは白胡椒がいいかと思います。